天才棋士
最近将棋の藤井四段が連日のように話題になり、将棋の面白さを始めて知ったり、本当に年齢関係なく「真剣勝負」をし、潔よく「負けました」という姿を見るにつけ、精神年齢が著しく発達していない大人たちの姿がさらされるニュースが多くてうんざりしている中、余計に輝いて見えます。ひたすら責任逃れしたり誹謗中傷だと癇癪おこしたりする人達の姿と対照的に、本当に気持ちが良い。人とはこうあるべきだよね、とテレビ画面にむかって納得しています。そして、なにより美しいなあと思うのは、どんな人に対しても「敬意」を持って臨む姿です。演奏家でもそうなのですが、たまに「上から目線」の演奏をされる方がいます。そういう人の演奏は、ものすごい超絶技巧でぶんぶん弾かれてもちっとも心に響いてこない。ぜんぜんお金を払ってまで聴く気になりません。逆に昔の巨匠達、年齢に伴いビブラートもよれよれで技術的には衰えていましたが、心をうつものがありました。人の内面からにじみ出てくるものは、道を究めると同時に、人生を豊かに過ごし、人としての徳があってこそのものだと思います。将棋もどうやら名局といわれるものはそうなのかなあ、と勝手ながら思っています。ひふみんのインタビューをみて、モーツアルトのことをおっしゃっていたようにも思いますが、やはり音楽と共通することを感じておられたのでしょうか。とても印象的でした。
そして、もう一つ、世のお母様お父様方は「わが子も天才棋士に!」と火がついてしまった方々も多いのではないでしょうか。藤井四段が小さい頃に使っていたというおもちゃや、勉強法やら、将棋の本やら巷で流行っているようですが、色々な商売に結びつけるものだと感心します。「道」とつくようなものには必ず共通しているのが、とにかく練習・お稽古・鍛錬あるのみ。言い方は色々ありますが、技を極めるために毎日がんばること。そして、天才と呼ばれる人たちは決して「あきらめない」のだ、ということがよく分かります。他の人がやれない分までやる、とにかくあきらめない。あきらめないことができる。それが天才なのでしょう。将棋でもヴァイオリンでも同じです。練習しなければいつまでも進歩なし。素晴らしい演奏家になる人は皆努力を惜しまない人です。かのマキシム ヴェンゲーロフも小さい頃、友達が遊びに行くのを尻目に練習練習。その子供たちが遊び終わって帰ってもまだ練習していた、と言っています。それだけ努力して始めて成し得るのでしょう。無理強いしてやらせても多分、それは難しいでしょう。天才の本人達は、それを努力していると感じていないかもしれません。だから天才!?禅問答のようになってしまうのでこの辺にしておきましょう。
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