今年も刈谷で行われるこどものためのヴァイオリンコンクールが終了しました。今年は12月初旬のコンサートに参加してもらったこともあり、少しレッスン時間が短くなってしまったかなあ、と思いつつ、きっとそんなことは気にせずがんばってくれるだろうと信じておりました。

今回は去年よりも2名増えてエントリーしました。R君は準備が1か月あまりしかなかったにも拘わらず、堂々とした落ち着きっぷりで銅賞をいただくことができました。ヴァイオリンが好きだ、という気持ちが伝わってくる演奏でした。

そしていつもマイペースでお母様を若干困らせながらレッスンしているAちゃんも銅賞。大きなホールの初舞台で、とてもお母様も心配されていました。心配は的中、メヌエットの後半の繰り替えしがすっぽりなくなってしまい、お母様が「えー、そこで終わっちゃうの~」と小声で叫んでおられましたが、本人はとても楽しかったようで、スキップまじりに袖へと去っていきました。なかなかの大物っぷりを発揮したのでした。

去年の出場組の生徒さんたちもよく頑張りました。高学年の2名は今回は努力賞でしたが、最後の2週間での追い上げは見事でした。銅賞がとれなかったことをとても悔しく感じていたようですが、その悔しさをばねにもっと頑張れるだろうと思います。挑戦しようというその心意気が素晴らしいです。

今回のコンクールでは、私自身考えることが多かったように感じます。なぜ、コンクールに挑戦しようと思うのか、賞をとることにどんな意義があるのか。今の世界は争いごとでいっぱい。そして嘘と欺瞞に満ちたニュースが毎日流れてきて、がっくりすることだらけ。政治家の腹黒い顔をみるのもうんざりだし、人間の品格を疑うような話が溢れている中で、子供たちのがんばる姿や演奏に、これだけは嘘がつけない、本物であることにほっと安堵します。まだまだ日本、すてたものではない、と。こうした本物が当たり前の世の中になっていってほしいものです。